老舗味噌メーカーが新たなチャレンジ! 『から揚げにつけタレ!かけタレ!』誕生秘話インタビュー(前編)

名古屋の家庭ならどこの冷蔵庫にも入っていると言っても過言ではないチューブ入りの味噌だれ。その先駆けとなった『つけてみそかけてみそ』を生み出したのが“ナカモみそ”ことナカモ株式会社さんです。

1830年創業、191年目を数える味噌メーカーの老舗・ナカモ株式会社さんがこの秋から新発売するのが『から揚げにつけタレ!かけタレ!』。その名の通り、から揚げにつけたりかけたりして楽しむ今までにありそうでなかった新しい卓上調味料です。

「から揚げにつけタレ!かけタレ!」は2021年9月1日より販売開始

から揚げをターゲットとしたタレは今までありそうでなかった全く新しいジャンルの商品。老舗味噌メーカーが新たなチャレンジとして開発をはじめた経緯や誕生秘話について、株式会社ナカモの杉本達哉社長、営業・企画・マーケティング担当の市川りのさん、製品開発を担当した塚本知子さんにお話をお伺いいたしました。インタビューの模様を3回にわたりお届けいたします。

左から塚本知子さん、市川りのさん、杉本達哉社長

―― 名古屋では『つけてみそかけてみそ』でおなじみのナカモさんですが、改めて社歴についてお聞かせ下さい。

杉本社長(以下杉本) 当社は1830年に創業し、現在が191年目となります。最初は米糀屋から出発したのですが、甘酒を造る際の技術が白味噌造りに通じるところがあり、甘い白味噌造りを手がけるようになりました。その後豆味噌造りも手がけるようになったのですが、同業者などからは今でも白味噌メーカーだと思われていることもあります。

その後東海地区をはじめとしたスーパーさん向けに『ナカモ西京白みそ』や豆味噌などを販売していました。実は当地区でカップ入り味噌やインスタントの味噌汁は当社が最初に発売したなど、先駆的な取り組みも行ってきているんですよね。
今の主力は「つけてみそかけてみそ」。豆味噌から味噌ダレ中心へと変わってきております。

―― 白味噌がスタートなんですね! 確かに『ナカモ西京白みそ』のイメージもしっかりあります。さて、現在の主力とお話し頂きました『つけてみそかけてみそ』は、現在の名古屋の家庭ではマヨネーズ並みに普及している、名古屋の家庭の食卓に革命をもたらした商品ですが、その開発の経緯や発売からの推移についてお聞かせ下さい。

杉本 最初は「家庭で使えるようなものを作りたい」と思いで開発した商品ですね。実際、発売当初は特に宣伝をしていないにも関わらずいきなり勝手に売れていくといった状況でした。とはいえ、発売初期の20年前頃はまだ“準主力”、豆味噌や西京白みそに続く商品という位置付けでした。

それから発売から10年ぐらいたった頃になりますが、著名な方が雑誌などで取り上げて頂いたこともあって、東京などから通販で注文が入るようになりました。そういった話を手がかりとしてキヨスクさんに「お土産になりませんか?」と提案したところ、先方からOKを頂いたんです。それまで自分たちとしては名古屋名物とは思っていなかったんですが、お土産にするなら『名古屋名物』と書かなきゃいけないですよね(笑) そこでお土産用のパッケージを作ってキヨスクに置いてもらったら「ものすごく売れるって感じではないけれど、そこそこ売れる」というレベルでは売れてくれました。

そんな感じで続けていると、2005年に愛知万博が始まったんですね。当社でもモリゾー・キッコロのキャラクターをつけてキャンペーンを企画して臨んだのですが……実はまさかの昨対割れを起こしてしまったんですよ。

―― えっ!?昨対割れですか!?

杉本 このキャンペーンはまだ社長になる前の自分が担当していたのですが、「ヤバイ、首になるかも知れない……」とかなり焦っておりました。しかし、ゴールデンウィークを開けて、愛・地球博にたくさんお客さんが入るようになり、また万博に合わせて放送された『アド街ック天国』でも取り上げて頂いたこともあり、急速に売れるようになっていきました。

そこから定期的にテレビに取り上げられるようになって、2007年の「秘密のケンミンSHOW」で取り上げられた時には今まで見たこともないような桁違いの発注がバンバン入る状況になりました。これは徹夜で対応するしかない、一週間ぐらいの我慢だと思っていたんですが、3ヶ月ほど同じ状況が続いてしまい、目と鼻の先にある家にも帰れず会社に寝泊まりする程だったんです。

「地元の人たちに普通に使ってもらえれば」と思って作った『つけてみそかけてみそ』だったのですが、お土産という形でも求めていただくようになり、さらには認知が広まったおかげで今では全国のどこかしらでは手に入るようになっております。

ナカモを牽引する杉本達哉社長

―― 正に柱の一つとして成長したということですね。さて、その中で新商品として『から揚げにつけタレ!かけタレ!』の発売を開始するとお伺いしました。新商品開発に取り組むこととしたきっかけは何だったのでしょうか?

杉本 スタートは『から揚げ』ですね。営業担当から「から揚げ専門店でから揚げにタレをつけて食べているので、から揚げにつけるようなタレはどうか?」と発案があったのがきっかけでした。確かに最近はから揚げ専門店も増えてきてお店にはいろんなタレが置いてある。でも、スーパーの店頭にはそういった商品が見当らない。じゃあ、面白いから作ってみようということで開発をスタートさせました。

―― なるほどです。味についてはどのような特徴がありますでしょうか?

塚本 『甘みそ風味』と『ピリ辛油淋鶏風味』の2種類のラインナップになります。『甘みそ風味』は当社の西京白みそを生かした甘めの味わいで、『油淋鶏風味』はしょうゆベースのピリ辛味に仕上がっています。

実は『甘みそ風味』の方は割とすんなりと味が決まったのですが、『ピリ辛油淋鶏風味』の方は味のバランスを取るのが難しく、何度も社内で試食を重ねてようやく完成させることができました。

開発時の苦労を話す塚本さん。何度も試食を重ね、ようやく満足出来る味にたどり着きました。

―― 確かに、辛い味の好みは人によって幅が広いから調整するのは難しそうですよね。

塚本 もう一点、“とろみ”のバランスにも気を配りました。せっかく美味しいタレをかけてもそれでから揚げがベチャっとなってしまったらから揚げの美味しさが損なわれてしまいます。つけたりかけたりしてもから揚げのサクサク感がちゃんと残るように“とろみ”の加減を調整するのもかなり苦労しました。

自宅でから揚げを揚げてサンプル品を試食。お話の通り、サクサク感が損なわれないちょうどいいとろみとなっていました

―― 『つけタレ!かけタレ!』は今までの『つけてみそかけてみそ』とは違って調味料類以外にも色んな食材が入っていて、ドレッシングに近いような側面もあるのかなと感じておりますが、そのあたりは如何でしょうか?

塚本 そうですね。やはりから揚げに合わせるタレということで旨味とかも必要になってくるところはありますし、そういう意味ではドレッシングに近い部分もあると思います

市川 その部分のおかげで、『つけタレ!かけタレ!』はから揚げ以外にも多くの食材と相性が良いタレになりまして、例えばひれかつですとか、チヂミですとか、それ以外にも色んな料理と組み合わせて使って頂くことが出来ると思います。社内でも色々試して、本当に多くの料理や食材に合うことが分かってきました。

―― それは料理家としてすごくそそられるお話ですね。いろいろ試作したくなります!

自宅で試作した『トースターで焼いた厚揚げwith『甘みそ風味』」。本格的な和食屋さんで出てきてもおかしくない美味しさでした。

三人へのインタビューまだまだ続きます。新商品のネーミングにも隠された秘密があるとのこと。続きは中編、後編にてご覧下さい。

[中編はこちら]
[後編はこちら]

Swind/神凪唐州

Swind/神凪唐州

作家 兼 名古屋めし専門料理研究家。
名古屋と名古屋めしをテーマに小説、漫画原作、料理本、コラムなどを執筆。

名古屋めしレシピ動画&生配信→http://youtube.com/c/swind758/

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