老舗味噌メーカーが新たなチャレンジ! 『から揚げにつけタレ!かけタレ!』誕生秘話インタビュー(中編)

1830年創業、191年目を数える味噌メーカーの老舗・ナカモ株式会社さんが、この秋に新発売する『から揚げにつけたれ!かけたれ!』。その誕生秘話について株式会社ナカモの杉本達哉社長、営業・企画・マーケティング担当の市川りのさん、製品開発を担当した塚本知子さんにお話をお伺いいたしました。

[前編はこちら]

中編では新商品のネーミングに隠された「大胆な提案」と「思い切った決断」についてお届けします。

―― ところで今回は『つけてみそかけてみそ』ではなく『つけタレ!かけタレ!』という新しいブランド名にされておりますが、かなり思い切った選択だったのではないかと感じております。そのあたりの意図についてお聞かせ下さい

杉本 実は当初は全然違う名前で、ストレートに『から揚げのタレ』でいく予定だったんです。デザインもその前提でかなり進んでいたんですが、その後急遽変わることになり…その原因がこちらに(市川さんを見ながら)。

市川 開発中の頃の話なのですが、社長と雑談をする中で「今度の商品名、社員にアイデアを募集して採用した人に食事券をプレゼントするのもいいよなぁ」ということを仰っていたんです。で、それを私が真に受けて、営業の女性社員の間でウワサにしてしまったんですよ。そこからみんなで考えていたんですが、『つけてみそかけてみそ』に絡めて『つけタレ!かけタレ!』が響きも良いし耳に残りやすくて良いんじゃない?というので盛り上がっていたんです。募集掛かったらこれを提案しよう、これで絶対優勝狙おうねと。

で、しばらくしたら社長から「『から揚げのタレ』で行くよ」というお話があって、ウソでしょ!?って……。

―― なんと(笑)

市川 せっかく考えていたし社長にも提案しようと思ったんですけど、もうほとんど決まっていたものなのでそのまま話しても通らないと思ったんですよね。なので、なぜ『つけタレ!かけタレ!』が良いのかをきちんとまとめて提案したんです。もちろんタイミングもタイミングだったので、社長からは「期待しないでね」とは言われましたが、自分たちとしては伝えられたので結構満足していたんです。

で、気がついたらいつの間にか『つけタレ!かけタレ!』になっていたと……。

少しでも提案が実るよう、きちんとまとめて提案した市川さんの大ファインプレー!

―― なんとなんと(笑) かなりギリギリのタイミングだったようですが、なぜ提案を受け入れて変更されたのでしょうか?

杉本 提案をもらった時は「うわ、このタイミングか!」と思いましたし、商品名を募集して採用者にお食事券を配るということもすっかり忘れていました。「いやこれ、マズかったなぁ」と。で、もらった提案を見たんですが、正直「やられた、良いじゃん!」と思ってしまったんです。

ただ、あそこまで言い切っていたタイミングなので、ここで変えるのは出来ないな、とは思っていたのも事実です。しかし、ちょうどその頃パッケージデザインを作っている頃だったんですが、元の『つけてみそかけてみそ』のデザインに寄せて『つけタレ!かけタレ!』を入れてみたら……一番しっくりきてしまったんですよね。自分もデザインを依頼した会社の方もこれが良いねという雰囲気になって、これで完全に『から揚げのタレ』は無くなったなと(笑)

もしあのまま『から揚げのタレ』で行っていたら、スーパーさんに分かってもらえずになかなか入らなかったかも知れません。

―― 『つけタレ!かけタレ!』なら『つけてみそかけてみそ』の派生商品だなってすぐに分かりますもんね。私も新商品を知らずにスーパーにあったらとりあえず買ってみようと手に取ると思います。

杉本 なぜ最初に『つけてみそかけてみそ』を使わなかったかというと、一つは「わかりやすいのが一番良い」と思っていたんです。ずっと新商品を作ってきましたが、使い方をイメージ出来るストレートな商品名の方が良いというのがあって、そのまま『から揚げのタレ』にしようと考えていました。

そしてもう一つ、当社自身が『つけてみそかけてみそ』に頼りすぎているのではないかと感じていたのも大きいです。ちょっと『つけてみそ』から離れないと『つけてみそ』が無くなったときに会社が困ってしまうなと、次の柱を育てていかないと行けないという思いもありました。

結果的に新商品は『つけタレ!かけタレ!』になりましたが、逆に見れば『つけてみそかけてみそ』のブランドを生かすという意味では正解なんですよね。戦略を180度変えればめちゃめちゃハマる商品になる訳なので、「仕方が無い、戦略を180度変えよう」と(笑)

『つけタレ!かけタレ!』にしたことでから揚げ以外にも使える場面が広がりますし、汎用性も高くなりました。さらにこの商品が一人歩きして、から揚げ以外にも派生商品を作っていくこともできるかなと思っています。

―― 名古屋では当たり前の『つけてみそかけてみそ』ですが、関東関西に行くと意外と「どうやって使えば良いか分からない」って声を聞くことがあります。そう言う意味では今回は『つけタレ!かけタレ!』はタレとして使うという部分がはっきりしていますし、「みそ」を外したことでより分かってもらいやすい形になっているのかなと。

市川 『つけタレ!かけタレ!』が全国のスーパーさんへの道を切り開いてそこから一緒に『つけてみそかけてみそ』も置いてもらう、そんな形になればいいなと思っています。

市川さんの提案が通って直前で変更された「つけタレ!かけタレ!」。アレンジレシピも早速作られています。

三人へのインタビューはさらに続きます。あっと驚く新レシピも登場したは後編にてご覧下さい。

[後編はこちら]

Swind/神凪唐州

Swind/神凪唐州

作家 兼 名古屋めし専門料理研究家。
名古屋と名古屋めしをテーマに小説、漫画原作、料理本、コラムなどを執筆。

名古屋めしレシピ動画&生配信→http://youtube.com/c/swind758/

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