『強烈にふり切った個性を大切にしたい』 株式会社 SPECIAL STORY 代表 川名洋行さん

シンガーソングライター、ミュージックセラピスト、音楽イベントの企画・制作及び運営、アーティスト・タレントのプロデュース業と多岐にわたりご活躍されている川名洋行さん。ご自身のこれまでの経験を活かし、障がい者の方をアーティストとして成長させ、ともに作り上げるオリジナルのミュージックセラピーとは?話を聞いた。

プロフィール

愛知県在住。株式会社 SPECIAL STORY代表。介護職員基礎研修科の資格を持つシンガーソングライター、ミュージックセラピスト。 CMソング、企業テーマソングを製作する作家としても活躍中。

代表作は、やさいのうた(スーパーヤマナカ)、アミーゴ・アミーガ・タマーゴ!!(愛知のウズラにわとり応援歌)、ゆめとてとめ(野田塾)、 せんとくん音頭(平城遷都1300年祭)、ごっくん7(リビング新聞)など。

2014年より、知的・身体・精神障がい者に向けたオリジナルのミュージックセラピーを展開。現在、指定生活介護事業所・NPO法人などの4施設にて、オリジナルバンドを担当・プロデュースを務める。

2018年7月に愛知県障害者芸術文化活動普及支援事業協力委員会委員に就任。作家・作品の調査・発掘活動、舞台芸術のアドバイスを行う。
2020年のパラリンピック開会式演奏を目標に、ご縁ある様々な場所で精力的に活動を展開。

 

障がい者がアーティストとして成長していく

現在、4つの福祉施設と関わらせていただいています。全ての施設で同じことをするのではなく、施設の利用者さんをみて、この施設はロック、こちらはポップス、ハワイアン……など、各施設の利用者さんのカラーと個性を活かしたバンドを作り、オリジナルのセラピー、『Grow Up Artist』を展開しています。

障がい者としてではなく “アーティストとしてステージに立つこと” を意識し、成長していくことをテーマに取り組んで頂いています。

『Grow Up Artist』の皆さん

『Grow Up Artist』の皆さん

『Grow Up Artist』の皆さんとともに作り上げた作品のひとつ

 

大切な家族との別れを経験し、そこから音楽の聴こえ方が変わった

13歳の時に父と死別したのが、音楽に関わることになった最初のきっかけですね。大きな存在が急にいなくなり、生きる気力を失ってしまったんです。

その頃から、音楽の聴こえ方がガラリと変わりました。詩を綴り始めたのも、この頃からです。

音楽から、そのアーティストの「生き方」や「意識」などの情報が入ってくるようになりました。その人の命から震えて出ているような、音が持つ色味とか温度、匂いなど…

不思議とそういったものを感じるようになりました。

そんな情報のある音楽に出逢い、自分は命を救われて生きる力を取り戻せたんです。

音楽って本当に凄いですよね。

そのような経験から、自己表現活動に加えて、人を癒したり元気づけることの出来る「音楽自体が持つエネルギー」の素晴らしさをお客様に届けることもテーマの1つにしています。

今の活動は、「恩返し=音(おん)返し」だと思っています。

 

自分にしかできない介助とは…それがミュージックセラピーの始まり

2002年にポップスバンドのプライナスでデビューし、「命と心」をテーマに11年間活動しました。その後、企業CMソング作家・シンガーソングライターとして活動、2014年に起業しました。

デビュー当時から、福祉施設や病院関係施設に慰問という形で演奏をしにいくことがあり、お年寄りの方やお子さん、障がい者の方ともたくさん関わってきました。「歌の中だけでいいことを言っているだけじゃダメだ」と思う時期があり、介護ヘルパー2級に相当するヘルパー介護職員基礎研修科の資格をとり、2年間、障がい者が利用する介護福祉施設で働きました。

その中で、自分にしかできない介助・セラピーって何だろう?と考えたのが、ミュージックセラピーの始まりですね。

 

「正しいよりも楽しい」をモットーに

今の仕事をするうえで心掛けているのは、「正しいよりも楽しい」をモットーに、遊び心を忘れないようにしていることですね。

自分の心が踊るような「楽しい」と感じる感覚を大切にするようになってから、「正しさ」や「標準」で判断を下していた時には出逢えなかった、個性豊かに生きている人たちと沢山のご縁を頂けるようになりました。

新たな価値観を知ることができ、色々な世界が広がっていくのが本当に面白いです。

相手の世界観を大事にすることは、イメージを形にする音楽制作の仕事にも繋がっていますし、以前よりも「絶対にいいものができる!」と信じる力が強くなりました。

 

強烈にふり切っている個性を大切にしたい

僕のイベントでは、強烈にふり切っている演者さんが多いんです(笑)。

オールマイティにできる優等生タイプの方より、出来る出来ないがはっきりとしていて強烈な色味を持ったアーティストさんの方が面白いし僕は好きなんですよね。

障がい者の方との関わり方にも変化がありました。昔はできないことを出来るレベルにしていく支援の仕方だったのですが、今は “できること、元々持っている才能”に焦点を当てるサポートへと変わってきていると思います。

『Grow Up Artist』の皆さんとともにバンド演奏中の様子

個性の強い方たちと過ごす中で、時に大変なこともありますが、それ以上にその個性に助けられる場面が結構あるんです。

今も施設を訪問していますが、コロナ渦だろうが全く生き方がブレていないんです(笑)。明るく元気にたくましく今を生きる皆さんの様子を見ていると、とても勇気をもらえますし本当に愛おしくて…

きっと皆さんの中にも僕と同じように、個性豊かに生きる方々と関わることで救われる人がいるかと思います。

ぜひ1度、メンバーのパフォーマンスを観てみて下さい。

愛知県在中の小・中・高生8名による ハートフル♡ポップユニット『にじいろアストレア』。愛知県知的障害者福祉協会テーマソング「アネモネ」を歌っている。

これからの目標は、全国で活躍できるアーティストを創出するキッズを中心とした音楽教室を開くこと、そして、多様性に富んだ、個性溢れるタレントやアーティストが所属するプロダクションとしても頑張っていきたいです。


川名さんが、相手の世界観と強烈な個性を大切にし、関わった方が輝けるよう全力で楽しみサポートされていることが伝わってきました。ナゴヤにいる素敵な方たち、もっとたくさんの方に知って頂きたいなと思います。ありがとうございました!

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saori

助産師フォトグラファーのSAORIです。美しい風景・自然が大好き、美味しいもの大好きで歩く食べログと言われています。私がパワーを感じたスポットの写真、グルメ情報やお気に入り情報などをお伝えしていきます。心に彩りとスパイスをプラスする風景・写真がここにあります♡

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