ナゴヤに縁のある様々なジャンルの書籍を著者へのインタビューを通じてご紹介する「ナゴヤビトブックス」。第17回は、西山ガラシャさん原作の歴史コミック『徳川家康とお亀の方』(本丸出版)をご紹介します。
ーー西山さんのご経歴を教えてください。
名古屋に生まれ、名古屋に住んでいます。
2015年に『公方様のお通り抜け』で第7回日経小説大賞を受賞してデビューしました。
この時代の史実にそって忠実描かれてはいるのですが、「おもてなしの喜びと金儲けに目覚めた大百姓が、江戸の世の”テーマパーク”であるユニークな大名庭園をプロデュースする」というお話で、現代のおもてなし精神にも通ずる部分がありました。
――本の執筆を手がけられるようになったきっかけは何だったのでしょうか?
10代の頃から小説が好きでよく読んでいました。読んでいるうちに次第に(自分も書きたい!)と思うようになり、40歳を過ぎてから時代小説に挑戦しました。
時代小説や歴史ものは少し難しいイメージがあったのですが、西山さんの作品を拝読し、その面白さを知ることができました。時代背景や史実がきちんと描かれており、そこに物語が乗っかっているので、かなり勉強になります。
徳川家康が愛したお亀の方。
歴史コミック史上初の主人公の物語
――歴史コミック『徳川家康とお亀の方』はどのような内容でしょうか?
原作を担当した歴史コミック『徳川家康とお亀の方』は、家康が名古屋城築城を命じて、現在の「堀川」である運河ができ、名古屋に碁盤割りの城下町がつくられた頃のお話です。
主人公は、お亀の方という家康の側室で、尾張の殿様である徳川義直の生母です。なかなかの行動力を持った人で、したたかに生き、且つ愛情深い女性を表現したつもりです。瀬知エリカさんの味のある漫画が、ほのぼのとした雰囲気を醸し出しています。
「お亀の方は有能な秘書のよう?」という内容も書かれていましたが、お亀の方の存在があったからこそ、この尾張名古屋はさらに発展したのですね。
―― この本を出版したきっかけは何だったのでしょうか?
小説に登場させたい歴史上の人物がいつも10人くらい脳内で待機していますが、お亀の方もその一人でした。
いつか小説に書きたいといろいろと調べているうちに、歴史や小説とはまったく関係ない会合でお亀の方のご子孫と出会うという奇遇もあり、書きたい気持ちがさらに大いに膨らんでいました。同時期に本丸ネットワークが尾張徳川歴史コミックシリーズの刊行を計画されていて、原作のご依頼をいただきました。
出版の経緯と同時に、すごい裏話ですね!
――歴史コミック『徳川家康とお亀の方』の裏話をお聞かせください
ちょうどコロナ禍の真っ只中でしたので、版元、監修者、作画者、原作者が一堂に会することができたのは本の刊行後です。そのため刊行までに、ものすごい数のメールが飛び交いました。本ができあがったあとに実際に関係者の皆様とお目にかかったとき、不思議と過去に何度もお会いしている方々のような親近感すら抱きました。
尾張名古屋を舞台にした時代小説を書いていきたい
―― これから書いていきたい本はどのようなものでしょうか
コミックについては、今年(2022年)6月下旬に第2巻『徳川義直と春姫』が刊行予定です。その続きを時系列で幕末・明治まで書き続けたいです。
小説では、尾張名古屋を舞台にした時代小説、徳川家康や三河武士もの、江戸時代の絵師や職人を主人公にした小説も書きたいと思っています。
――西山さん、ありがとうございました!
ナゴヤ民ですがまだまだ知らないことが多く、本当に勉強になり面白く拝読いたしました。こんな歴史上の人物がいて、こんな時代背景があって今のナゴヤができているのだと思うと、さらに興味が湧いてきました。三河武士ものも、個人的に読んでみたい気持ちが強いです。
西山さんのこれからの作品も楽しみにしております!
西山ガラシャさんの公式情報はこちら
Twitter:https://twitter.com/nishigara333
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