2023年1月、名古屋のど真ん中・錦二丁目に「芋焼酎」が誕生したのをご存じでしょうか?
「長者町芋人」は長者町界隈を含む錦二丁目エリアで育てたさつまいもを使って造られた芋焼酎。かつて繊維問屋の街として知られた錦二丁目エリアですが、現在は飲食店も増え、高層マンションも建つなど大きな変化を見せています。そんな変わりゆく地域のつながりを大切にしながら盛り上げたいという思いから始まった芋焼酎造りのプロジェクトについて、錦二丁目エリアマネジメント株式会社 取締役の阿部充朗さんにお話をお伺いしました。
ーー 「長者町芋人」はどのような経緯で誕生した焼酎なのでしょうか?
コロナ禍で、生活スタイルや仕事の仕方などが変わり、大変な状況が続く地域(錦二丁目)の飲食店を元気にしたい想いを持って企画しました。
ーー 都心部である錦二丁目エリアでのさつまいも栽培をはじめるきっかけについてお聞かせください。
もともと、10年ほど前から長者町芋人の運営メンバーのひとりである佐藤さんが「長者町ハニカム計画」という錦二丁目のビルの屋上で育てた「長者町のはちみつ」を、銀座ミツバチプロジェクトをはじめとする全国の都市養蜂のメンバーと連携をとりながら続けていました。
その中で、銀座ミツバチプロジェクトさんの主導で「さつまいもを育てて九州の酒蔵にいも焼酎を作ってもらおう!」という動きが起こり、長者町も参画させていただくことになりました。
ーー 実際のさつまいも栽培はどのように行われたのでしょうか?
錦二丁目をはじめとする地域の事業者さんを中心に、バケツを鉢にしたさつまいも栽培を進めていきました。そんなに大きくないバケツだったので、お店の軒先に置くことができ、参加しやすい仕組みを意識しました。
店先の緑を育てることで、お店同士の会話も増えたり、他のお店さんの成長速度なんかも気になったりして、地域の人同士の関係性が強くなった気がします。
ーー 街中でのさつまいも栽培となると思うようにいかない部分もあったかと思いますが、特にどのような部分で苦労がありましたでしょうか?
思ったよりさつまいもが育たなかったことです(笑)
ビルの合間で日当たりが弱い問題や、水やりの加減が難しかったり、さつまいもが大きく育ちませんでした。
ーー 育ったさつまいもからどのような形で芋焼酎を造られたのでしょうか?
福岡県の豊前市の後藤酒造さんにご協力いただいて、私たちが育てたさつまいもをお送りし、いも焼酎に仕上げていただきました。
ーー 出来上がった「長者町芋人」の味わいについて教えてください!
すっきりとした角の無い甘みと心地よい余韻が特徴で、口に含んだ瞬間に深みのある香りがすっと鼻腔を抜けます。
後味は確かな芋の風味が感じられ、きっと満足していただけます。
ーー「長者町芋人」はどこで飲むことができますか?
ーー 今後の計画や構想などがもしありましたらお聞かせください!
地域の飲食店が元気になってほしくて始めたプロジェクトなので、長者町芋人を介した楽しい企画を考えたいです。
長者町芋人で錦二丁目のことを知り、初めて足を運んでくださる人がいたら嬉しいです。
また、いつも錦二丁目にいるけど長者町芋人があることで行ったことのない飲食店にいってみる人が現れたりしても嬉しいです。
都会ではなかなか飲食店で地産地消が難しいですが、少しでもそういうことを感じていただければと思っています。
錦二丁目という名古屋のど真ん中で始まった新たなチャレンジ。「長者町芋人」を飲めば、きっと街の人たちの元気をお裾分けしてもらえることでしょう。錦二丁目生まれの芋焼酎を飲みに、ぜひ足を運んでみてください。
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